何のために生きている?

と問われれば、もっと幸せな人間社会が見たいから

いま、島崎藤村の「夜明け前」を読んでいます。

第二部から、というイレギュラーな形で。(笑)

 

「夜明け前」は第一部を高校生時代に3~4ページ読んで挫折(ざせつ)して以来、全く手つかず。

 

明治維新前の江戸時代・幕末を「夜明け前」、つまり、最も暗い時代として描いているんだろう、という先入観を抱くことで、何だか読んだ気分になっていました。(恥・汗)

 

そのイメージが変わったのは、2011年に出たマンガ版の「夜明け前」を最近読んだから。

 

わたしは、あまり読む気のしない小説などは、マンガ版で済ますことが多いんです。(笑)

 

それによると、どうやら、“最も暗い”夜明け前は明治維新後のことのよう。

 

徳川時代については、

主人公(島崎藤村の父親がモデル)の父親(島崎藤村の祖父)が女房の「おまん」に

「なあ、おまん。

徳川様の世はもう長くないかもしれないが・・・

そんなに暗い時代だったかねえ?」

と、穏やかな表情で語りかけています。

 

また、庶民が自発的に「公方様(将軍)の恩」という言葉を口にしている場面があったりもします。

 

明治時代以降。「天皇様の恩」なんてことを庶民が自発的に口にすることなどあったんですかねえ?(笑)

 

わたしがいま読み進めている段階でも、

 

『「俺は葵(あおい)の紋を見ても、涙がこぼれてくるよ」

「今はそんな時代じゃねえぞ」

「なあに、こんな新政府は何時(いつ)ひっくりかえるか知れたもんじゃないさ」

「そんなら君は、どっちの人間だい」

 

「うん - 俺は勤皇で佐幕(徳川派)だ」』

 

などという庶民同士の会話が出てきたりしています。

 

たしかに、新政府=薩長=官軍が当時の庶民に嫌われていたということは、他の(古い)資料からも伺(うかが)えるんですよね。

 

ということで(笑)

この日本を代表する小説のひとつといわれる「夜明け前」は、再び抑圧的な恐怖政治が復活しようとしているこの国で、

 

今こそ読まれるべき小説だと思うんですよね。

 

わたしは小説というより、貴重な時代の証言を読む、という気持ちで、ぼちぼちと読み進めています(笑)

(あまり小説は読まないので・・・)

 

 

 

 

 

 

それが、「え?」となったのは