何のために生きている?

と問われれば、もっと幸せな人間社会が見たいから

あの「意見書」だけを見ると

岩倉具視氏ひとりが(庶民から見て)悪党になってしまうので、とりあえず、わたしの乏しくおぼつかない知識、私見でフォロー?しておきます(笑)

 

まず、この明治15年というのは、西南戦争で勝利した長州閥がその支配体制を確立し(伊藤・山縣体制)、国内の締め付けを始めた年です。(軍人勅諭戒厳令制定、集会条例など。この意見書が書かれる直前には福島事件(自由民権運動)も起きています)

 

西南戦争のときの岩倉具視の立ち位置は、政府軍側に身をおきながらも、西郷軍とは対話を通じて事の収束を図ろう、とする立場でした。

これは西郷軍も承知の上で、桐野利秋ら西郷軍幹部も、「そのうち岩倉公が勝麟(かつりん=勝海舟)を(和解の)使者として寄こすだろうよ」と言っていたといいます。

そして、そのとおり、岩倉具視勝海舟に使者を依頼する。

しかし、勝海舟はこういってその役目を(事実上)断っています。

→「オレ(勝)と西郷に政治のすべてをまかせるなら行くさ。しかし、そうでないのなら行かない」

たぶん勝は状況が絶望的であることを読んでいたのでしょう。

 

結果、政府軍は強硬姿勢で臨み、西郷軍は滅んで、西郷も死ぬことになる。

 

そういったいきさつを見ると、開拓使事件で岩倉が薩摩人脈(閥)のカタをもった気持ちも理解できないではない。

裏には、(権力を確立した)長州閥(伊藤、山縣、井上など)一党のほうがはるかにあくどい事をやっているではないか、という気持ちもあったでしょう。

(ちなみに岩倉具視の娘さんのひとりは長州の某超大物によって強姦されたそうです???)

 

あと、この時期は憲法制定前であり、権力内部での支配権をめぐる綱引きも激しかったと想像します。

わたしは、岩倉具視憲法制定にも立憲主義にも反対の立場だったと思います。

対して、憲法制定、立憲主義の立場が伊藤博文

 

岩倉が(おそらく)(立憲主義憲法制定)に反対していたのは、天皇の(何ものにも縛られない)絶対的権力化を目指していたからでしょう。

公家として生まれ育った岩倉には天皇のみを絶対の存在とする「一君万民制」が理想の体制として頭にあったのではないでしょうか?

 

それに対して、伊藤博文は西欧流の立憲君主制を推進しようとしていた。

伊藤は憲法の目的、立憲主義をよく理解していました。

伊藤が憲法を制定する理由を問われて

天皇の(無制限の)権力を縛るため」

と答えたのは有名な話です。

しかし、西欧の立憲主義と違うのは、天皇権力を縛るのが人民(市民)ではなく、自分たち薩長閥官僚制の側にいる者たち、だということ。

どちらにしろ、日本の一般の人民(国民)は「(憲法下での主役としての)市民」ではなく、「下民(げみん)」だったのです。

 

また、(当時の)西欧流の体制を受け入れるということは、「階級制」を受け入れるということでもあります。日本を階級性社会にするということ。

これは一面、江戸時代の士農工商制度よりキツイ差別が(大多数の)人民を襲うということですよ。(経済による差別というのは・・・)

実際、明治・大正・昭和(戦前)を通じて貧富の格差は拡大、階級化が進んでいきました。(ごく一部の者たちだけに富が集中)

(一君万民制なら天皇以外の「万民」は原則すべて平等。西郷たち尊王の志士たちがそこに理想を見ようとしたのはよく理解できます。

しかし、それは「(資本主義体制が確立した)世界」から見ると過去の遺物的な思想として、実現不可能なものだったのかもしれません)

 

それ(階級化)が一時的にストップして、日本人が一時的に「(自由な)市民」の幻想を得たのが「戦後」ではないでしょうか?

 

いままた、戦前回帰の「改憲」体制、ということで、社会の階級化も急激に進んでいますが、これ、立憲主義否定の階級化・改憲の動きなんですよねえ。

 

どうなんでしょう?

世襲政治家、(ポチ)政治家、学閥官僚、資本家(財界)、大資産家といった支配層が、

国にあるお金のほとんど、司法(検察・裁判所)・立法(国会・地方議会)・行政(各省庁、地方自治体)を完全に握り、

警察・自衛隊海上保安庁厚労省のマトリ、といった実力(武力)組織を従え、

テレビ・新聞・雑誌などのマスコミ、インターネットを駆使して国民への情報を操作する(洗脳、マインドコントロール=教育も)、

ことによって、(明治時代よりもはるかに強力な)万全の支配体制を構築。99%の国民、市民に顧慮する必要もなくなったことで、支配層がかって気ままに好きなことができる体制になったということなのでしょうか?

(彼らにとって99%の日本人は今なお「下民(げみん)」なんですよねえ)

 

現代ニッポンはさらに、そういう傾向が徹底化されつつあります。

ただ、民主主義を基本とした立憲主義日本国憲法は、まだ存在しています。

われわれ99%の日本の人民が、「下民」となるのか、「市民」として民主主義社会を進展させていけるのか?重要な分岐点にさしかかっているのではないでしょうか?

 

でも、ニッポンの「市民」は頑張っている!!

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わたしたちは「市民」だぞー!

なめるな!馬鹿にすんなー!!!!♪アベ政権下での改憲絶対反対ー!国民切り捨てる政治はヤメローーー!!!

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ちなみに岩倉具視の孫娘は共産党員の疑いで警視庁に逮捕され、自殺していますね。どんな思いがこの孫娘さんにはあったのでしょうか?